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2015年1月21日水曜日

第4回入賞・入選作品(2014)

第4回展

会期/2014年2月3日(月)~2月15日(土)日休  11:00~19:00(最終日17:00まで)
会場/ギャルリー志門(銀座6-13-7 新保ビル3F)

会場風景



授賞式

「ドローイングとは何か」展開催実行委員会会長・金澤毅先生ごあいさつ



        
  審査員/東京藝術大学名誉教授,版画家・中林忠良先生より「審査にあたって」
                    
                  
     
審査員/町田市立国際版画美術館学芸員・滝沢恭司氏より「審査にあたって」




大賞受賞/辻野榮一 賞状および目録授与



準大賞受賞/平澤 咲      同上



準大賞受賞/森本 玄    同上



レセプション レセプションは審査員の先生方、入賞・入選者、過去の受賞者、メディア関係者、美術関係者、多くの人との交流ができるまたとない機会。ワインは19本空いてもまだ足りず、7時を過ぎても宴はまだまだ続きました。先生方、皆様お疲れさまでした。 



[審査員】  金澤毅(美術評論家) 
       中林忠良(版画家) 
       滝沢恭司(町田市国際版画美術館学芸員)


      【大賞】 辻野榮一 「伸びゆく生の形」
           2013年 バーニングペン、ケントボートを焦がして制作 725×545mm



[作家コメント]

 私は、木を素材として、動植物をテーマに制作する彫刻家である。その彫刻は、独自の表現技法によって木の表面を焦がし、その制作過程で出来る凹凸で覆われている。私にとってのドローイングは、彫刻を造る為に描くクロッキー的なドローイングではなく、立体から平面に、木から紙に移行して表現する完成された平面作品である。私のドローイングは、彫刻と同じく、熱により紙(2mmのケントボード)を焦がし、点、線、滲みが出来る。また、バーニングペンの刃先で突いたり、切り込むことによって出来る凹凸で形成されている。そして、動物や植物をテーマに生命力、生き物としての神秘性を追求している。「伸びゆく生の形」は、植物の静かではあるが猛るごとく成長する姿を力強く表現した。



辻野榮一  プロフィール
1960年香川県生。’83年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。
【個展】 ‘08年村松画廊 (東京)‘09年ドイツ文化会館 (東京)‘10Neue Galerie Landshut (ドイツ)‘11坂出市民美術館 (香川)’12ツム・アインホルン (東京)‘13B-gallery (東京)34回開催。
【グループ展】’04年アートシャワー横浜展 (横浜市民ギャラリー・08年まで)。’05Wollondilly(Galerie Wollondilly・ベルギー)あさご芸術の森大賞展 (あさご芸術の森美術館・兵庫)’11年香港アートフェア (Mandarin Oriental香港)さまざまな“生”その形 3人展 (ドイツ文化会館・東京)aus aktuellem Anlass (Neue Galerie Landshut・ドイツ)’12年SOUND and ART 2012 (ゴトウフローリスト・東京)‘13かがわ・山なみ芸術祭2013 (綾川町エリア・香川)。+7 Exhibition (Office339・上海)。他多数。
【収蔵】坂出市民美術館。高松市塩江美術館。 



    
                    【準大賞】  平澤 咲 datum」
             2013年  ラシャ紙にペン、色鉛筆 364×515mm


[作家コメント]

流れ行く水は同じように見えても同じでなく、常に変化しどこかへ過ぎ去っていく。私はその捉えられない流れに愛着と恐怖、またどこか寂しさのようなものを感じ、どうにか作品として表現したいと模索してきた。11月の暖かい日、茅ヶ崎海岸へ足を運ぶと、波がごうごうという音を響かせていた。前日の雨で海は大荒れで、迫り来るような強さがあった。砂浜に着いた波からは小さな泡がいくつも生まれ、しゅわしゅわという音が聞こえた。本作は、繰り返される波の動きを捉え同じ画面上に描くことで、経過する時間とものの原点の実感を、現場にてドローイングした作品である。私はいつも、現場でしかドローイングができない。私にとってのドローイングとは、対象を捉えようとした自身の記録だと思うからだ。対象に向き合ったときの気持ちや感動・発見・感触など、私が対象とやり取りしたときの素直な実感を、新鮮な状態で表現できる手段が、ドローイングなのである。



平澤 咲 プロフィール
1990年東京都生。’13年女子美術大学絵画学科日本画専攻卒業。
女子美術大学大学院修士課程美術専攻日本画研究領域 在籍。
【グループ展】
’10年二人展、白昼夢-曖昧な真実-(三鷹ギャラリーオーク)。’11年学生アートフェスティバル「ハチスタ!」(八王子東急スクエア)、ちょってん(早稲田 ウルトラカフェ)、スクエア展(新宿プロムナードギャラリー)。’12年日本画系女子(渋谷EARTHGALLERY)、碧い石見の芸術祭「全国大学奨学日本画展2012」(島根)。’13年東京五美術大学連合卒業・終了制作展(国立新美術館)、advanced studies project of art(Joshibi Art Gallery上海)、HOTサンダルプロジェクト未来の収穫祭(香川)、第49回神奈川県美術展(神奈川県民ホールギャラリー)、日本の若い世代の岩彩画<日本画>展(Joshibi Art Gallery上海)




                 【準大賞】  森本 玄2013.11.20-30」 
          2013年  リペルペーパーに鉛筆 727×910mm



[作家コメント]

2年前、私の大切な家族を描いておきたいと思った。「あの日」を境に、この世界は大きく変わってしまったと思う。でも、日々は容赦なく更新されているので、今ではもう、実は何も起こらなかったのではないかと錯覚する自分がいる。圧倒的な力を前にしたとき、忘却することは希望を持つためには必要なことなのかも知れない。しかし、それが人の誤りに由来するものであると、そう簡単に忘れる訳にはいかない。だから描く。
 対象を前に描いているときは、対象と描かれた画面のあいだを目が往復し、目と手が連動して視線の先を描いてゆく。それは、自身が何かを表現するというよりは、「何か」が私の身体を媒介して現されるという方が適切かも知しれない。描いているときはまず「鏡」に徹することであるが、描きながら様々な想念が去来することもまた重要である。私にとっての「ドローイング」とは、私の心の内側と外側を確認し、つなぐための行為である。



森本 玄 プロフィール
1964年三重県生。‘95年東京藝術大学大学院博士後期課程修了、博士(美術)。
【個展】’95年(クレイギャラリー ・東京)、’98年(On Gallery・大阪)、’03年(ギャラリー恵風・京都)、’06年(ギャラリー16、京都)他
【グループ展】’89年現代日本美術展(東京都美術館他、’919294年)、’91年リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展(ユーゴスラビア)、’96年ドイツ国際版画トリエンナーレ展(ドイツ)。’01年第8回津西高校絵画の流れ展∞【やわらかな結晶】(三重県立美術館県民ギャラリー)、’05年シェル美術賞展(代官山ヒルサイドフォーラム)、’08Busan Biennale(韓国)、’11On the Way展(京都府立文化芸術会館)他。
【賞歴】1986年東京藝術大学(久米圭一郎賞、’89O氏記念賞)、’89年第14回全国学生版画展(買上賞、'90年第15回)、’04年とよた美術展(平面の部優秀賞)
【収蔵】町田市立国際版画美術館、カリフォルニア大学、たかつかさ保育園、兵庫県立光風病院








【入選】
大山貴也 「胡蝶の夢」    インク(アクリル)、紙 570×760mm
斧原由季 「蛹」    和紙、鉛筆 605×450mm
Christopher Troutman 「Below the Bridge:3Laters」   木炭・紙910×727mm
関水由美子 「入佳境」   紙、ペン910×470mm
富山恵美子 「カーニバルの夜」    ケントに鉛筆727×910mm
フジタユウコ 「D3]    紙、木炭、コンテ870×570mm
藤澤恵子 「自発的対象性の破れⅠ」    和紙・製図ペンほか762×518mm
藤原信行 「12.02.14」    アルシュ水彩紙・顔料・インク560×760mm
藤山麻美 「Paysage 3」     アルシュ紙・鉛筆460×570mm
松本 陸 「頭の中に住んでいる」     イラストレーションボード、水性インク210×297mm
宗像一幸 「ちょっと重いんですけど」     アルシュ紙・ボールペン・水彩910×727mm
安河内裕也 「パスカルの眼」     丸ペン、水性インク、木パネ、ハーネミューレ紙909×652mm
(五十音順敬称略) 






































































展覧会名:「ドローイングとは何か」第4回公募入賞・入選作品展
会期:2014年2月3日(月)~2月15日(土)日休
時間:11:00~19:00(最終日17:00まで)
会場:ギャルリー志門
授賞式:2014年2月3日(月)17:00~レセプション:同日18:00